積立投資を始めるにあたって、最初に直面した質問がありました。
「S&P500か、オルカンか」
インデックス投資を始めようとした人の多くが、一度は通る分岐点だと思います。私もここで、ずいぶん長いこと迷いました。
結論から書くと、私はオルカンを選びました。今日は、その時に何を考えたかの記録です。
二つの選択肢
念のため、簡単に整理しておきます。
S&P500は、アメリカの代表的な500社に投資するインデックス。Apple、Microsoft、Amazon、テスラなど、誰もが知る企業がずらりと並びます。過去のリターンが大きいことで知られています。
オルカンは「オール・カントリー」の略。全世界の約3,000社に分散投資するインデックスです。米国だけでなく、ヨーロッパ、日本、新興国まで含まれます。文字通り、世界全体に投資するイメージです。
どちらも積立NISAの定番で、投資の入り口で必ず比較される選択肢です。
"リターン"だけ見れば、迷う必要はなかった
過去のデータだけを見比べれば、ここ10年はS&P500が圧勝しています。米国の大手テック企業が世界を引っ張った時期だったので、それも当然と言えば当然です。
「だったらS&P500でいいのでは」と、最初は素直に思いました。実際、私の周りの投資をしている人たちも、S&P500を選んでいる人が多かったです。
それでも私が最終的にオルカンを選んだのは、「過去の勝者が、未来の勝者とは限らない」という、地味だけど厄介な事実が引っかかったからでした。
"次の30年"を予測できるか
私が考えたのは、こういうことです。
この先30年、世界経済の中心はどこにあるのか?
正直に書くと、私にはその答えが分かりませんでした。
過去30年は、確かにアメリカが世界をリードしてきました。でも、その前の30年はどうだったか。1980年代、世界のGDPランキングで日本は2位でした。日経平均は4万円に迫り、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われていた時代があったのです。それが30年でこうなった、という事実があります。
つまり、30年前から見て"今"を予測できた人は、ほとんどいなかったということ。同じことが、これからの30年にも当てはまる可能性は十分にあります。
「次の30年もアメリカが勝ち続ける」と断言できる根拠を、私は持っていませんでした。
判断しないことを選んだ
S&P500を選ぶというのは、ある意味で「アメリカを選ぶ」という判断をするということです。一方、オルカンを選ぶというのは、「どこが勝つかは分からないから、全部に賭ける」という選択です。
私が選んだのは、後者でした。
理由はシンプルで、判断する自信がなかったから。プロの投資家でも次の30年の予測を当て続けるのは難しい。だったら、「判断しない」という判断をしたほうが、私のような素人には合っている——そう思いました。
オルカンには確かにアメリカが約6割含まれているので、結果的にS&P500に近い動きもしています。「中身の半分以上アメリカなら、S&P500でいいのでは」という意見もあります。それも一理ある。
でも私にとって大事だったのは、「世界の構成が変わったとき、自動的に追随してくれる」という安心感でした。仮に30年後、アメリカの比率が3割に下がっていたとしても、オルカンならその時点での世界の比率に応じて投資されている。何もしなくても、世界の変化に乗っていける——この一点が、最後の決め手になりました。
どちらを選んでも、たぶん間違いではない
この記事を書きながら改めて思うのは、S&P500とオルカンは、どちらを選んでも"大きな間違い"にはなりにくいということです。
両方とも、世界の主要市場に投資するインデックスです。長く積み立て続けることが何より大事で、商品選びはその次の話。極端に言えば、「どっちも続けられない人」より、「どちらかを30年続けた人」のほうが結果は出る——そう思っています。
私はオルカンを選びました。でも、「自分はアメリカに賭けたい」と思った人なら、S&P500のほうがしっくりくると思います。自分が納得して長く続けられるほうを選ぶ——これが、唯一の正解だと感じています。